2024千葉・フロンティア賞

ロボカップジュニア2024千葉ノード大会では、審査員特別賞として「フロンティア賞」が用意されました。チャレンジ精神を持って取り組んだ、興味深いロボットを製作・制御したチームを表彰しました。入門者向けライントレース競技と、参加者が多いレスキュー競技のそれぞれで、審査員の方による審査で決定しました。

今回、ライントレース競技ではチーム「メテオ」が、レスキュー競技ではチーム「Advance」がフロンティア賞を受賞しました。副賞として、尼崎僚平様・千絵様にご協賛頂いた、デジタルマルチメーター(テスター)CD770をお渡ししました。

フロンティア賞について、それぞれの競技の審査をご担当頂いた審査員の方々から、ご講評の文章を頂きましたので紹介します。

■ライントレース競技フロンティア賞講評(大鶴様より)
今年のライントレース競技では、ルールの穴を突いて、スタート時には上げていた棒をスタート後に前に倒すことでタイムを稼げると気付き、第1競技後にロボットを改修したチームが複数ありました。ところが棒をつけたことで車体のバランスが変わったせいか、ライントレースが安定しなくなってしまったチームもありました。そうしたなか、チーム「メテオ」は棒を前に倒すことで2秒程度タイムを短縮することに成功しただけでなく、全参加チームの中で唯一、3回の競技全てでリトライすることなく完走しました。新しいことにチャレンジしながらも与えられた課題を安定してこなせたことは素晴らしく、今回フロンティア賞に選ばせていただきました。他のチームの皆さんも、この大会を通して学んだことは多くあると思います。今回の経験を活かして、今後もロボット製作を進めていってほしいです。

■レスキュー競技フロンティア賞講評(味香様より)
総評
どのロボットも問題解決のためのユニークな要素を積んでおり、非常に楽しませていただきました。残念ながらどのチームもその目玉要素が機能しなかったり、あるいはその前の段階で躓いてしまっていたようですが……。ロボコンではとにかくフィールド上での試行回数がものを言います。まずはそこに至るところからですね。ただ、この話は段階に至るまでにとりあえず作ってみるという「無計画さ」を推奨するものではありません。大抵の場合、計画や予備実験を十分に行ってから一歩一歩確認しつつ全体を作り上げる方が早く正確に組み上がります。大人たちが仕事で書くような「仕様書」や「計画書」ほどのものでなくて良いので、A4用紙に全体の方針・大体のスケジュール・小さな達成目標とそれらのテスト方法をそれぞれ1枚ずつに書いて見るところから始めてみてください。そして、これに懲りず、面白い要素を取り入れ続けてください。今回の皆さんのような自由で他に類を見ない発想というのは大変貴重で、そのようなアイデアの中から次のスタンダードが生まれたりもします。また、その経験がロボカップジュニア以外の思いもよらいない変なところで非常に役に立ったりします。是非頑張ってください。
選定理由
どのチームも思うように行かなかったようですが、今回はチーム「Advance」にこの賞をお渡ししました。「本来サッカーに出たかったがメンバーが見つからず、レスキューに変更後、1ヶ月という期間でここまでこぎつけた」という実績と、普通科の高校生とは思えないほどの、特に電子回路周りへの理解度の高さを評価させていただいています。部品の特性の把握やサッカーとの求められている機体性能の違いの把握に問題があり、全体としてうまく機能しなかったようですが、これは関東大会までに修正予定とのことで楽しみにしております。是非頑張ってください。