2019大会・レスキュー競技の様子

2018年11月18日のロボカップジュニア2019千葉ノード大会で行われた、レスキュー日本リーグと、レスキューライン(ワールドリーグ)の様子を振り返ります。また、競技運営担当者からの講評も掲載します。
 
■レスキュー日本リーグ・結果
 

順位 チーム名 得点合計 時間合計 救助合計
1 まり・きゅりー 169 12:00 0
2 チームおゆみ野 70 10:36 0

 
 
■レスキューライン(ワールドリーグ)・結果
 

順位 チーム名 得点合計 時間合計 救助合計
1 おいらぁ 630 12:00 3
2 わとそん 601 3:58 0
3 まくすうぇる 500 5:41 0
4 ぱうり 225 10:25 0
5 県千葉GSU 130 11:30 0
6 HAYATE 70 12:00 0

 
■結果一覧(画像をクリックしてください)
結果一覧
 
■フィールド図・写真(画像をクリックしてください)
フィールド図
フィールド写真
 
■千葉ノード・レスキュー技術委員・山口より
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(1)運営について
 
準備、後片付け、競技運営等にご協力いただいた皆様、ありがとうございました。
 
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千葉ノードのレスキューLine競技では、ロボット性能差、調整の出来不出来が順位として明確になるような難易度設定、また運営そのものやルールの運用・適用によって選手間に不公平感が発生しないように心がけています。
簡単に言うと、選手が負けて悔しい思いをしたときに、勝ったチームよりロボットの出来が悪いから負けたんだよと、メンターが選手に言えるような運営を目指しています。
 
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今年は会場が午後からしか使用できなかったため、運営関連の時間をできるだけ短縮し、競技時間も短縮し、十分とは言えませんが調整時間を可能な限り確保できるようにしました。
 
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今年も競技中に実況がありました。解説だけではなくチーム紹介や裏話的なお話もあり、選手も観客も楽しめる内容でとても盛り上がりました。
 
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(2)競技結果について
 
日本リーグは満点370点(得点要素80点、タイル24枚、銀ボール3、黒ボール3、チェックポイント3つ)、ワールドリーグは満点565点(得点要素165点、タイル34枚、銀ボール3、黒ボール3、チェックポイント3つ)の設定でした。
 
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被災者がボールになってから初めて生きている被災者が救出されました。
2回の競技で2回とも生きている被災者が救出されました。すばらしいです。
 
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(3)コースについて
 
コースの難易度的は、昨年と同じく「ロボットに求められる基本的な能力の出来不出来が確認でき、さらにそれが点数の違いとして明確になる」ことを狙いました。
 
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タイルのバリエーション(カーブ左右大小、直角左右等)、交差点のバリエーション(十字、ト字、T字、左右、緑有無、行き止まり)を昨年と同様にバランスを考えて配置しましたが、競技時間を考慮しタイル数を減らしたためすべてのバリエーションは配置できませんでした。
 
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また、ワールドリーグのいくつかのタイルでは、上位のロボットの性能を想定した上で、パッと見で難しいと確認できる配置ではなく、ロボットのタイルへの進入角度や動作の精度によっては数回に1回程度はクリアできないような配置や角度・曲率を狙いました。
 
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結果として、ライントレース部分の得点により順位がおおむね決まりましたが、ワールドリーグの上位2チームはライントレースがほぼノーミス同士のハイレベルな争いだったため、被災者救助の有無で順位がきまりました。おおむね狙い通りの難易度設定が出来たと思います。
 
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(4)ロボットが計画通り動かなかったチームへ
 
長いオフシーズンが始まりました。
まず現状のロボットで問題点を洗い出し、今回のコースがクリアできるまで作り込んでください。
それにかかった時間が今回足りなかった時間です。思ったよりも長くかかると思います。
せっかくなので体感ではなく、計測して正確に把握して見てください。
把握できたら、今年のスケジュールを見直して来年に備えましょう。
時間を確保してスケジュール通り作業できれば、来年はもっと良いロボットで参加できる筈です。
 
(5)残念なこと
 
最後に残念なことも記録として残しておきます。
エントリーチーム数は日本リーグ、ワールドリーグあわせて8チームと小規模なのですが、複数のチームがRCJレスキューラインルール2018のルール2.3.3に明確に違反ないし抵触していました。
さらにワールドリーグにエントリーしたチームで、違反ないし抵触するチームメンバーを除いた場合に、ルール2.3.2に違反(要するに1人チーム)になってしまうチームもいました。
 
ケーブルを作った、ポスターを書いた、部品を整理した、なにかを手伝った、では「特定の技術的役割を担っている」とは言えません。
技術の教育・移転中だからといって、「特定の技術的役割を担っていない」メンバーが参加して良いとはルールに記載されていません。
技術的な作業にかかわったメンバーだけを登録するようにしてください。
日本リーグでは1人チームでエントリー可能です。チームが構成できないようであればそちらへのエントリーを検討してください。
メンターもそのように指導してください。
 
ルール2.5.5には、ルール違反時に失格、減点が出来る旨が規定されていますが、General Rule、ルール2.3に違反した際の取り扱いを運営側で整理できていなかったこと及び、競技会当日のタイムスケジュールではその対応を行う時間が捻出できなかったため、メンターへの事実確認と注意のみ行いました。
(1)に記載したように、選手間に不公平感が生じないように運営を心がけていましたが、運営の準備不足と心構え不足により徹底できませんでした。これは来年への課題とします。
 
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■記録用紙
 
今回の千葉ノード大会で用いられた記録用紙・記録用ファイルを山口さんがGitHubで公開して下さっています。大会・練習等で、参考になる場合、お使い下さい。
記録用紙
https://github.com/yamaguchi-tk/RCJRescueLineScoresheet