2026千葉・プレゼンテーション賞結果

千葉ノード大会に限らず、ロボカップジュニアの大会では、大会会場でプレゼンテーションポスターの掲示が義務づけられています。ロボカップジュニアでは、情報の共有や表現能力の向上を大切にしているからです。

ロボカップジュニア2026千葉ノード大会では、優れたプレゼンテーションポスターのチームに対して「プレゼンテーション賞」の授与を行いました。審査員の審査点の合計が大きいチームが、ワールドクラスとチャレンジクラスのそれぞれで1チームずつ選ばれました。また、副賞として、猫又通信防災 尼崎様よりモバイルバッテリーをご提供いただきました。ご協賛をありがとうございました。

■ワールドクラス・プレゼンテーション賞
ワールドクラスのプレゼンテーション賞は「A.Z.K.」です。なお、次点は「ぽるしぇ」です。

■チャレンジクラス・プレゼンテーション賞
チャレンジクラスのプレゼンテーション賞は「ぶらうん」です。なお、次点は「えるびん」と「あんぺーる」です。

審査をご担当下さった3名の審査員から、ご講評を頂いていますので紹介します。ありがとうございます。選手の皆さん、ぜひ今後の参考にしてみて下さい。

■佐藤 様
この度は、大会おつかれさまでした。どのポスターもチームの良さが出ていて、皆さんの頑張りが伝わりました。
ポスター作成は、みなさんがつくったロボットの事をたくさんの人に伝えることのできる機会です。
「誰に伝わるとうれしいか」「見てくれる人に伝わるか」を考えることは楽しいけれど、簡単に納得いくものは作れないですし、時間もかかります。そして「ロボットを作る事にもっと時間をかけたい」という気持ちも大切にして欲しいです。
なので、皆さんに一つご提案があります。ロボットを開発するチームに、技術的な事はそんなに得意ではないけれど、ロボットに興味がある人に仲間になってもらうのはどうでしょうか?
大会に参加をしようと決めたその日から、みなさんの「ロボットの良さを伝える仲間」について考えてみてください。開発をスタートする時に「大会でどんな事や技術を実現したいのか」をチームみんなで話し合い、これまで先輩がつくったカッコいいポスターなども参考に、「こんなポスターができたらうれしい」というイメージを持つことができるとロボットの開発がさらに充実したものになるのではないかと思います。
みなさんが頑張って作るロボットにふさわしいポスターづくりを、チームとして是非楽しんでください。

■味香 様
今年のポスターは例年に比べて全体的に1段階レベルが底上げされたように感じました。
残念ながらポスターで書かれていた目論見通りにはなかったチームも多い印象ですが、裏を返せばチームとしてやりたいことがはっきりしておりその目標像が共有できているからこそ、手が空いたチームメイトが凝ったものを作れたのだと推察しております。とても良い変化に感じます。
ケチをつけるとすれば(佐藤様も当日の講評でおっしゃられていましたが)是非ルール上限のA2をいっぱいに使ってより多くロボットのアピールをしていただければなと思います。「より多くと言っても何をどうすれば……」とも思うかもしれませんが、残念ながら模範解答は無いですし、大人も似たようなものを作らされるときは大抵頭を抱えて苦しみながらこしらえます。個人的な経験から言うと、出せる情報を書けるだけ書いて、その後デザインと情報の粒度の一貫性を保ちつつ削ぎ落としていくのがましな結果になりやすいです。そして見た人の反応を次に活かすのも忘れずに!

■多田 様
選手の皆さんの努力が詰まったポスターを大変興味深く拝見いたしました。
全体的な印象として、各チームのアピールポイントやロボットの説明がしっかりと盛り込まれた完成度の高いポスターが多かったように感じました。
特にいくつかのチームでは、他のチームと決定的に異なる技術的な工夫について、技術自体の説明に加えてそれを用いる根拠や意義まで述べられており、とても見応えのある内容になっていました。
また、それらの内容をより明確に伝えるために図表の使い方や全体のレイアウトにも気が配られており、非常に見やすく仕上がっているポスターもみられて大変素晴らしかったです。
この先の関東ブロックやジャパンオープンでは、競技だけでなくポスターのレベルも全体的に上がり、プレゼンテーションポスター賞を巡る戦いもより激しくなっていきます。
その中で皆さんのポスターのアピール力をさらに高めるためには、伝えたいポイントをただ詰め込むのではなく、その中でも特に重要な点とそうでない点のコントラストをはっきりさせるといったような、一目見ただけでも要点が明確に伝わってくる工夫が必要になってくるのかなと思います。
また、シンプルに文字や図表のサイズを大きくすることも伝わりやすさの面でとても重要ですから、ルールが許す限りまでポスターサイズを上げてしまうということもやはり検討すべきかもしれません。
大会に向けた開発ではどうしてもロボットの調整ばかりに集中してしまいがちですが、競技だけでなくポスターで自らの成果をアピールする貴重な機会をぜひ有効に利用してもらいたいと思います。
今大会での学びを活かし、皆さんが今後も引き続きご活躍されることを心より願っています。